入門講座 トランスファー技術・3
在宅障害者のトランスファー技術
松葉 貴司
1
Matsuba Takashi
1
1横浜市総合リハビリテーションセンター
pp.235-247
発行日 2009年3月15日
Published Date 2009/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101374
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はじめに
移乗動作は,生活におけるADL(activities of daily living)の拡大やQOL(quality of life)を高める上で重要な動作であり,できるだけ安全かつ効率的な方法で行う必要がある.
医療現場においては,移乗という動作を通じて身体機能を最大限に引き出すための治療的な介入が行われ,理学療法の進行に合わせてその目標がADL能力の獲得に移行する.一方,在宅生活における移乗動作は,目的とする生活行為に至る過程として行われ,より効率的な方法が優先されることが多い.
移乗動作に限らず,在宅におけるADL動作の指導は,原則をそのまま適用するのではなく,環境や介助者などの条件に応じて微調整することで功を奏する場合があり,これは,まさに在宅における動作指導の醍醐味ともいえる.本稿では,在宅生活における移乗動作の指導・環境調整などを行う際の留意点について,Q & A形式で述べる.
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