特集 がん治療における理学療法の可能性と課題
がんの理学療法の現場から
1.終末期がん患者の在宅支援を経験して
滝川 蓉子
1
,
佐々木 純
1
Takigawa Yoko
1
1財団法人脳神経疾患研究所附属総合南東北病院リハビリテーションセンター
pp.945-948
発行日 2008年11月15日
Published Date 2008/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101291
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はじめに
近年,一般のリハビリテーション(以下,リハビリ)の医療現場において,がんそのものの影響や外科的治療,化学療法,放射線治療などで身体障害を有する症例に対し,障害の軽減,運動機能低下,生活機能低下の予防や改善を目的としてリハビリが介入する機会が増えてきている1).
当院においても,がん患者に対して,外科的治療における周術期に限らず,放射線治療や化学療法期間中の廃用予防,終末期の外泊・退院を目標とした日常生活動作練習など,すべての病期で幅広い対応が求められている.
今回,胆囊がん術後,外来にて化学療法を施行していたが,症状緩和を目的に入院した患者を担当し,自宅復帰支援と退院後の自宅生活に継続して関わる機会を得た.本稿では,今回の経験を通して感じたがん患者に対する理学療法士の役割や理学療法の可能性について報告する.
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