臨床実習サブノート 知っておきたい理学療法評価のポイント・4
パーキンソン病患者を担当した時
吉田 久雄
1
Yoshida Hisao
1
1順天堂大学医学部附属浦安病院
pp.617-623
発行日 2008年7月15日
Published Date 2008/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101221
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
パーキンソン病は,多彩な症状を示しながら進行(増悪)する疾患であるため,その症状,状態,経過は患者によって異なる.残念ながら,現時点では完治のための治療法が確立されておらず,症状などによりいくつかの治療法を組み合わせて対応しており,理学療法もその1つである.
筆者がパーキンソン病患者を担当する時には,問題解決型の理学療法プログラムではなく,目標指向型の理学療法プログラムを立案することを心がけている.また,パーキンソン病患者が「今」示す「状態」には,現在の治療法,今までの治療法,合併症などの影響と,また患者自身の病気に対する認識(受容),患者を取り巻く様々な環境要因が影響を与えているため,ICF(International Classification of Functioning,Disability and Health. 図1)の考え方は,患者の評価と分析,そして治療プログラム立案には欠かせないものである.
パーキンソン病に対する理学療法の有効性については,議論のあるところでもあるが,理学療法が患者のQOLの向上に役立つことが多いのも事実である.本稿では,筆者の実践を中心に,パーキンソン病患者に対する理学療法評価のポイントについて述べる.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.