特集 身体と環境
運動器障害における身体と環境
亀尾 徹
1
Kameo Tohru
1
1新潟こばり病院整形外科
pp.863-869
発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100900
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世界保健機構の国際障害分類(ICF)改訂に伴い,活動,参加制限の因子としての様々な身体状況,環境要因,心理社会的要因などを含めたマネージメントが重要視されるようになった.理学療法士(以下PT)にとって,患者の呈する臨床的要素(症状,兆候,病歴など)について評価・考察を行うことは極めて重要であり1,2),環境についてもそれらを左右する有力な情報として扱われてきた.
運動器疾患の理学療法においては,症状を惹起している原因組織に目が向けられる傾向が強い.環境についても原因組織の損傷メカニズムに関連した生体力学的な要素が重要視される.しかし患者の臨床像は原因組織の損傷に加え,それを増幅,または持続させる因子に大きく影響されたものとして現れる.運動器疾患に関連する環境を考える場合,原因疾患の組織を除いたすべての要素を「環境」ととらえることができる.
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