特集 身体と環境
課題志向型アプローチにおける身体と環境
吉尾 雅春
1
Yoshio Masaharu
1
1札幌医科大学保健医療学部
pp.839-844
発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100897
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近年,脳の科学,認知科学,行動科学,運動学習理論などの接近で,中枢神経障害患者の理学療法のあり方が変革してきている.運動療法あるいは運動学習の究極的効果は,日常的な環境のなかで行動としていかに表現されるかで問われるべきである.つまり,理学療法室以外の生活あるいは社会環境という因子をいかに活用していくかも考えなければならない.より実際的な場面で理学療法を積極的に行うことによって,著しい能力あるいはパフォーマンスの改善をみることは珍しいことではない.運動制御の反射・反応モデルや階層理論に拠り所を求めたこれまでの理学療法は変革期を迎えている.
以下,課題志向型アプローチへと至った各要因の変遷を整理しながら,その意義について述べる.
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