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私のカルテから
心因性失声症に解決志向型アプローチが有効であった1症例
A Case Report of Psychogenic Aphonia Improved by the Solution Focused Approach
正木 大貴
1
,
中富 康仁
2
,
土田 英人
1
,
福居 顯二
1
Daiki MASAKI
1
,
Yasuhito NAKATOMI
2
,
Hideto TSUCHIDA
1
,
Kenji FUKUI
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学
2明石市立市民病院心療内科精神科
1Department of Psychiatry, Kyoto Prefectural University of Medicine, Kyoto, Japan
2Department of Psychosomatic Medicine and Psychiatry, Akashi Municipal Hospital
pp.693-695
発行日 2009年7月15日
Published Date 2009/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101457
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はじめに
発声に関する器官に原因となる器質的な異常を認めないにもかかわらず,発声ができない状態を機能性発声障害という。その中には発症や症状の経過に心因的な背景が関与しているであろうと推測されるものが多く,それを特に心因性失声症と呼ぶ。心因性失声症に関する報告は,精神科領域4~6)や耳鼻咽喉科7,8)からのものが散見されるが,あまり数は多くない。一方,解決志向型アプローチはブリーフセラピー1)の1つで,問題の原因を追求して解決を目指すのではなく,今の状態とは違ったより良い新しい状態を構築することを目指すものである1,3)。我々は今回,心因性失声症患者で,解決志向型アプローチが有効であった症例を経験したので報告する。
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