特集 実践理学療法のエビデンス
高齢者と骨関節疾患患者の筋力維持・強化―実践理学療法のエビデンス
岡西 哲夫
1
Okanishi Tetsuo
1
1藤田保健衛生大学衛生学部リハビリテーション学科
pp.371-378
発行日 2007年5月15日
Published Date 2007/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100747
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はじめに
近年,多くの医学会において,EBM(evidence-based medicine:以下,エビデンス)に基づく治療ガイドラインが作成されている.このエビデンスに基づく治療の選択の潮流は,理学療法の分野においても遠慮なく押し寄せている.言い換えれば,これからの理学療法は,中枢神経疾患,骨関節疾患,さらに神経筋疾患など,様々な疾患においてエビデンスに基づいた実践的な理学療法が求められている.例えば,具体的には,目の前の骨関節疾患の超高齢者に対して,従来の愛護的な介入を継続して行くのか,それともいくつかのエビデンスを吟味して,最も適した介入を選択して行くのか,その判断の岐路に立っているのである.
本稿の目的は,高齢者を含めて,骨関節疾患患者の筋力維持・強化の効果に関する最近の報告をレビューして,具体的にエビデンスに基づいた筋力強化法をまとめ,その効果の限界や,エビデンスを充実させるための新しい指針に迫ることにある.
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