特集 理学療法における運動療法と装具療法の融合
骨関節疾患の治療を目的とした装具使用の実際
髙橋 雅人
1
Takahashi Masato
1
1東京大学医学部附属病院リハビリテーション部
pp.831-836
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100670
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はじめに
骨関節疾患の理学療法では,下肢の骨折や術後の安静度を例にとっても,ベッド上安静から車いす移乗が可能になり,両松葉杖歩行で徐々に荷重量を増し,片松葉杖,T字杖へと歩行補助具を変化させ,独歩を許可していくように,その治癒過程に沿って最も有効な対応が求められる.装具療法においても,脳卒中片麻痺における主としてADLを向上する目的とは異なり,局所の固定・安静,治癒の促進など狭義の治療的意味合いが強い.すなわち,骨関節疾患に用いる装具は,疾病の症状や治癒過程に合わせて,最も効果的な理学療法の展開のために,目的,形状,使用環境などを,刻々と変化させていく必要があるものである.
本稿では,整形外科疾患において比較的多く用いられる体幹装具,骨折用装具,拘縮の装具について,病態や理学療法の展開との関係について述べる.
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