文献抄録
肩機能不全の患者における肩甲上神経障害の診断について:5症例の報告
高濱 照
1
1西日本リハビリテーション学院
pp.989
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100604
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目的:肩甲上神経障害(SSN)は,見落とされるか,肩峰下インピンジメント症候群(SAIS)や腱板損傷,頸部神経根障害のような他の疾患に誤診されやすい.過去の報告では,10人のSSNのうち2人がSAISとして肩峰形成術を施行され,1人が椎間板切除術を受けた.他の27人のSSN例では6人が胸郭出口症候群として処置され,3人が椎間板切除術を受けた.この症例報告の目的はSSNの鑑別診断を記述することである.
症例報告:患者(女性1,男性4)の年齢は29.6±6.8歳で全員がSAISの診断であった.5人とも肩後方に痛みがあったが他動ROMの制限はなかった.MMT(徒手筋力テスト)では5人に棘下筋,4人に棘上筋の筋力低下があった.棘下筋は内旋45°でテストされ,棘上筋は肩甲骨面で「空容器」法(empty can)でテストされた.4人に棘上筋,棘下筋萎縮を観察した.
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