入門講座 スポーツ理学療法 ➊
肩・肘関節傷害に対するスポーツ理学療法
川島 敏生
1
,
渡邊 幹彦
2
Kawashima Toshio
1
1日本鋼管病院リハビリテーション科
2日本鋼管病院スポーツ整形外科
pp.53-61
発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100408
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肩関節から肘関節のスポーツ傷害は1回の外力で発生するスポーツ外傷より,繰り返されるストレスにより発生するスポーツ障害が多く,投球障害肩・投球障害肘(野球肩・野球肘),テニス肘などが代表的である.これらのスポーツ障害の発生要因として,肩・肘関節の「使い過ぎ(over use)」だけでなく,フォームの破綻や技術不足により肩・肘関節に大きな負担をかけてしまうような「誤使用(mal use)」が挙げられる.
疾患の概要
1.投球障害肩・投球障害肘
投球障害肩・投球障害肘とは投球動作時に痛みや違和感を伴い思うようにボールが投げられない状態,つまり投球を障害する病変を持った肩・肘の総称である.しかし,野球だけでなくバレーボールのアタックやテニスのサーブなどでも同様の障害が発生し,これらも広い意味での「投球障害肩・肘症候群」に含まれる.その病変は多彩であり(表1,2),それらが単独で,または複数で存在する1,2).
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