特集 アスリートのための理学療法
体操選手の傷害と理学療法
岡田 亨
1
,
澤野 靖之
1
,
関口 貴博
1
,
室井 聖史
1
Okada Toru
1
1船橋整形外科スポーツ医学センター理学診療部リハビリテーション科
pp.439-447
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100315
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はじめに
スポーツ現場における理学療法士(以下,PT)の活動は,外傷の後療法や疼痛管理における介入が主体といえる.またこれらは現場からの期待も大きい現状がある.しかしPTの活動領域をさらに広げるためには,われわれの得意とする運動学といった分野から,傷害予防はもちろん競技力向上に対しての役割を担えるよう,積極的な働きかけを行う時期が来ている.スポーツ現場での活動において,PTは各競技の専門動作への理解を十分に深め,前向きな努力を行う必要があると考えている.
アテネオリンピックにおいて日本の体操競技は好成績を残したものの,まだまだ情報が少なく,一般に体操の専門動作への認識度は低いのが現状である.本稿では,体操競技の特徴である上肢機能を中心に,専門動作と近年の傷害特性を紹介し,PTの取り組みについて報告する.
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