紹介
脳性麻痺児の障害理解に向けた啓発活動の経験
米津 亮
1
,
鶴見 隆正
1
Yonetsu Ryou
1
1神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部リハビリテーション学科理学療法学専攻
pp.927-930
発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100191
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近年の保健・医療・福祉は生活支援という側面を重要視している.2001年に世界保健機関(WHO)が定めた国際生活機能分類(ICF:International Classfication of Functioning Disability and Health)1)もその1つである.脳性麻痺を主とした小児理学療法領域でも機能障害中心型療育から家族中心型療育が提唱され2),生活支援を重視した方向性に変換しつつある.
小児理学療法領域での生活支援の視点に沿った理学療法アプローチに関する報告3~5)は散見される程度であるが,障害をもつ児を取り巻く生活環境下での相互交流が十分になしえていないことが指摘されている.児が日中の大部分を過ごす就学という社会参加の場面において,級友・教師ら周囲の人々は児の運動機能・ADL・行動等に理解ができず,どのように関わり支えたらよいのか戸惑っており,児を含めた社会活動(activity)・参加(participation)が活発化されない要因となっている.児の統合教育・ノーマライゼーションという環境をより具現化するためには,理学療法士をはじめとする専門職が積極的に教育の場や地域理解に関わりを持ち,児を含めた級友・教師に共通理解を深める支援が不可欠で,そのことにより社会活動・参加が高まると考えている.
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