理学療法の現場から
在宅で楽しむ理学療法士になるために
浦野 幸子
1
1(有)ハッピーラブハッピー(訪問看護ステーション孫の手,通所介護デイホーム孫の手)
pp.890
発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100186
- 有料閲覧
- 文献概要
「靴の脱ぎ方がいい加減!非常識な先生だわ」「電気を勝手につけたからイヤ!」「元気がないからイヤだ」「口調の強い先生はイヤ」「病院の先生の方法と違うから同じにしてほしい」「出した布団をしまって帰らなかった」など,利用者の色々な反応を聞き続けて早5年.しかし,障害を持った「大先輩達」に比べればまだまだ経験は足りない.
家という場所は,利用者にとって自由な空間であり,われわれは「先生」と呼ばれながらも「はじめまして」の挨拶から始まるただの訪問者だ.1回目で嫌われるとその後の関わりは容易ではない.こんな様々な反応や言葉が耳に入るたびに,「私のどこが? なぜ悪いの?」と思い悩み,「どうにかしなければいけない」「結果を出したい」と気をあせらせ疲れてしまう.病院や施設では味わったことのない利用者からの生の声は,実はもし自分が逆の立場だったら同じことを言っているだろうということに客観的に気づき,素直に受け止められるまでに半年以上かかったような気がする.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.