特集 脳卒中の理学療法を再考する
脳卒中の病変と病態生理の特徴
井門 ゆかり
1
,
松本 昌泰
2
Imon Yukari
1
1広島医療保健専門学校神経内科
2広島大学大学院病態探求医科学脳神経内科
pp.661-666
発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100142
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生活習慣の欧米化とともに,糖尿病,高脂血症,肥満症などの有病率が増加し,高血圧を含むmetabolic syndromeが,アテローム性動脈硬化の危険因子として注目を集めている.このmetabolic syndromeの増加により,本邦の脳血管障害の臨床病型構成は大きく変化してきており,高血圧が強く関与する脳出血やラクナ梗塞などの小血管病変(small vessel disease)が減少し,metabolic syndromeの関与が大きいアテローム血栓性脳梗塞などの大血管病(large vessel disease)が増加しつつある.
本稿では,はじめに脳血管の解剖学的特徴を紹介し,脳血管障害の臨床病型と動脈硬化病変の関わりについてまとめ,脳卒中の病態生理や,MRI拡散強調画像や灌流強調画像,頸動脈超音波エコー法など各種診断法の進歩をふまえて,最近の治療法について述べる.
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