紹介
「13回国際セーフコミュニティ学会」に参加して
稲坂 恵
1
Inasaka Megumi
1
1横浜市港湾病院リハビリテーション科
pp.62-64
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100009
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
日本における国際セーフコミュニティ学会の知名度は著しく低い.今回初めて本学会に参加してリハビリテーションに通じる理念を実感し,その奥の深さに改めて気付いたので紹介したい.
“セーフコミュニティ”を仮に直訳すれば“安全地域社会”となろう.しかし日本にいまだ導入されていないことから,本稿では関連用語を含め,カタカナのまま使用する.
筆者が理学療法士としてこの学会に参加した動機は二つあった.まず,スウェーデンのカロリンスカ研究所で,高齢者の転倒予防の取り組みとセーフティプロモーション研究を学んだことから生まれた興味と関心,また,後始末の仕事と思われがちな理学療法業務を予防活動へ拡大したいという願いである.
学会はチェコ・プラハで2004年6月2日から4日まで開催され,参加者はおよそ40か国340人であった.連携学会である第7回世界インジュリープリベンション・セーフティプロモーション学会が続いて開催され,参加者のほとんど(筆者も)が国境を越え,オーストリア・ウィーンへ移動した.参加者の職業は二つの学会共通で,政府要人,政策決定者,疫学者,統計学者,保健医療関係者などであった.日本からの参加者は,活発なアジアの国々とは対照的で,二つの学会とも10人前後と少なく,残念であった.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.