わだい
組織因子
小林 紀夫
1
1群馬大学医学部第三内科
pp.336-337
発行日 1991年6月15日
Published Date 1991/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906549
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はじめに
血液凝固に関する知見の多くは,1964年に提唱された血液凝固のwaterfallあるいはcascade説に立脚したものである.この説では第X因子(F.X)の活性化に至る過程は,内因系と外因系に明確に区別され,前者は異物面との接触による第XII因子(F.XII)の活性化から開始され,後者は組織因子(TF)が血液に露出することにより血液凝固が開始する.しかし,最近TFと第VII因子(F.VII)(または活性化F.VII〔F.VIIa〕)がF.Xとともに,第IX因子(F.IX)をも活性化させることが指摘され1),生理的あるいは病的な血液凝固の開始機構におけるTFの役割が注目されるようになった.
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