増刊号 臨床血液検査
II.止血機能検査
2.検査の実際と症例の解釈
4)血管系検査
A.検査法
(2)6-ケト-プロスタグランジンF1α
大野 安男
1
1積水化学工業(株)メディカル事業部
pp.314-318
発行日 1991年6月15日
Published Date 1991/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906542
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はじめに
1976年,Moncadaらは,大動脈のミクロソームを用いて実験を行い,強力な血小板凝集抑制作用および血管平滑筋弛緩作用のある物質を発見した1).その後,この物質は,プロスタサイクリン(またはプロスタグランジンI2;PGI2)と呼ばれている.
PGI2は,アラキドン酸のシクロオキシゲナーゼによる代謝系の生理活性物質の一つで,プロスタグランジンH2からのPGI2合成酵素の作用により生産される.PGI2は強い生理活性を有するが,半減期が約10分と不安定な物質であり2),測定に当たっては無酵素的にPGI2から派生する6-ケト-プロスタグランジンF1α(6-keto-PGF1α)が対象とされる場合が多い(図146).
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