増刊号 臨床血液検査
I.形態学的検査
2.その他の検査
3)顆粒球機能検査
北川 誠一
1
1自治医科大学血液医学研究部門
pp.103-108
発行日 1991年6月15日
Published Date 1991/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906492
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はじめに
主要な顆粒球機能異常症とその特徴を表9に示した.これらの疾患の中で顆粒球機能検査を必要とする最も重要な疾患は,慢性肉芽腫症である.C3biレセプター欠損症の頻度は慢性肉芽腫症よりはるかに少ないが,確定診断のために顆粒球機能検査を必要とする.また,最近増加傾向にある骨髄異形成症候群の一部の症例においては,顆粒球数の減少に加えて著明な顆粒球機能の異常が易感染性の一因と考えられている.Chediak-東症候群,ミエロペルオキシダーゼ欠損症および特殊顆粒欠損症は通常の末梢血塗抹標本および特殊染色で診断可能であり,顆粒球機能検査は病態把握の補助的な役割を果たしている.
これらの観点に立ち,本稿では末梢血からの顆粒球(好中球)分離法,ニトロブルーテトラゾリウム(nitroblue tetrazolium;NBT)テスト,スーパーオキシド産生能,粘着能,貪食能および遊走能の測定法について概説する.
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