増刊号 臨床血液検査
I.形態学的検査
1.形態学的検査の実際
7)フローサイトメトリー
中原 一彦
1
1杏林大学医学部臨床病理学教室
pp.49-54
発行日 1991年6月15日
Published Date 1991/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906482
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
人類の英知は,時としてすばらしい底力を見せてくれ,その無限の可能性に眼を見張ることがある.それがスペース空間に向けられれば宇宙開発となり,ミクロの世界に向けられれば医学,生物学研究となる.フローサイトメトリーも,人間の知識を結集した結果できあがった,まさに夢の器械といっても過言ではないだろう.
フローサイトメトリーは,主として細胞表面抗原の解析のために用いられるが,近年はそのほかにも核内DNAや細胞内pH,カルシウムの測定,貪食能や殺菌能の検索など,多方面にわたって利用されるようになってきた.今後ますますの発展が期待されるが,本稿では細胞表面抗原の解析に的を絞って記述することとする.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.