増刊号 臨床血液検査
I.形態学的検査
1.形態学的検査の実際
6)網(状)赤血球の測定法
新谷 和夫
1
1東京簡易保険診療所
pp.47-49
発行日 1991年6月15日
Published Date 1991/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906481
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
骨髄の赤芽球が成熟して末梢へ出るとき脱核するが,これが網赤血球である.網赤血球は一番若い赤血球で,胞体にはリボ核酸(RNA)が多く含まれ,内部に網状顆粒質が存在するが,これは超生体染色で証明されるので超生体染色顆粒とも呼ばれる.末梢血に入った網赤血球は約1日で成熟赤血球となり,120日の寿命がくるまでガス代謝に貢献している.
循環血中の網赤血球は寿命が1日という点から考えると,全赤血球中に占める割合は1/120,約0.8%になる.このように末梢血中での網赤血球は僅少成分ではあるが,これの多い少ないは骨髄での増血状態を示すものとして極めて貴重な情報である.本稿では末梢血網赤血球数の算定法を中心として記述する.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.