わだい
フローサイトメトリーと造血・リンパ組織診断
中原 一彦
1
1東京大学・臨床検査医学
pp.1323
発行日 1987年10月30日
Published Date 1987/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913483
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白血病や悪性リンパ腫などの造血・リンパ組織診断は,以前より形態学的な診断が中心を成しており,今でもその傾向に変わりはない.しかしながら,形態学のみでは診断に非常に困難を感ずる場合がしばしばある.そのような場合に大きな威力を発揮するのが,近年急速な発展を示してきた免疫学的手段を用いた方法である.とりわけ,KöhlerとMilsteinによって開発された細胞融合法によるモノクローナル抗体の開発は,非常に純粋な抗体を大量に得られるという点で,免疫学の発展に多大な貢献をなしたことは周知である.
現在では,ヒトの血球と反応する多くのモノクローナル抗体が市販されている.しかしながら,いろいろなメーカーから同じような種類の抗体が発売されているため,世界的にもそれらを統一しようとする方向にあり,国際ワークショップHuman LeukocyteDifferentiation Antigensにおいて,CD (clusters ofdifferentiation)ナンバーで同じような抗体をまとめる努力がなされている1).最近ではCDナンバーが付されたものについては,これで呼ぶことが多い.
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