増刊号 免疫検査実践マニュアル
総論
Ⅱ.免疫学的測定法
5.標識免疫測定法
(7)フローサイトメトリー
中原 一彦
1
1杏林大学医学部臨床病理
pp.74-76
発行日 1994年4月15日
Published Date 1994/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901888
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■フローサイトメトリー(FCM)の原理
現在フローサイトメーターは数機種出回っており,細かい点ではそれぞれ異っているものの,基本となる原理はどの機種も大きな変わりはない.基本的には,蛍光物質で標識された細胞に,ある種の波長を持った光線を当て,それによって反射した蛍光波長の情報をコンピューターで分析,標示するのがその原理である.光線の種類としては,大部分,488nmの励起波長を有するアルゴン・イオン・レーザーが使用されている.
図1にBecton-Dickinson社製のFACS(Fluorescence Activated Cell Sorter)を例にとってその原理の模式図を掲げる1).一定の圧力をかけられた細胞浮遊液がノズルの先端から水柱となって勢いよく流出し,その水柱の中には細胞が1列に並び,1秒間に5,000〜10,000個の速さで落下する(機種によってはノズルがフロー・セルとなっており,下から上に水柱が流出するものもある).ノズルから流出した細胞はその直下でアルゴン・イオン・レーザーにちょうど当たるように調整されている.レーザー光線によってヒットされた個々の細胞の情報は,光電管によって感受され,その情報がコンピューターに送られ分析される.
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