コラム
3q26異常
深川 智美
1
1東海大学医学部臨床検査医学
pp.1037
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906352
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3q26異常には,逆位・挿入や相互転座がある(inv(3)(q21q26)(図),ins(3;3)(q26;q21q26),t(3;3)(q21;q26)など).これらは3q21q26症候群として分類される.3q26異常は,急性骨髄性白血病(acute myelocytic leukemia;AML),骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome;MDS),MDSからAMLへの移行時,慢性骨髄性白血病(chronic myelocytic leukemia;CML)の急性転化時などにみられる染色体異常である.特にMDSにおける染色体異常の出現は,治療への反応性および予後を決定する重要な因子となる.AMLの場合M1に多いが,M2・M4・M7のこともある.血液学的所見として,血小板増加と巨核球の異形成(micromegakaryocyte)を認めることが特徴で,臨床的に予後不良である.3q26異常の共通点は,3q26のEVI1遺伝子が関与し,EVI1遺伝子の転写活性が増加していることである.EVI1蛋白質は転写因子のAP-1活性を上昇させ,このAP-1活性の上昇を通じて細胞増殖に関与すると考えられる.3q26異常は単独で存在することはまれで,7モノソミー,他の構造異常を伴うことが多い.
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