増刊号 心電図が臨床につながる本。
Ⅱ章 波形からみた心電図[1] 心臓の器質的疾患Plus
QRSの異常—異常Q波
大島 一太
1,2,3,4
1大島医院
2東京医科大学内科系分野循環器内科
3東京医科大学八王子医療センター循環器内科
4日本看護協会看護研修学校
pp.1179-1186
発行日 2016年10月30日
Published Date 2016/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200979
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Overview
QRSの最初の振れが陰性のときを“Q波”という.Q波の成因は,病的意義が全くないものから,心筋壊死を示すものまで多岐にわたる.なかでも,aVR以外の誘導で,Q波の幅が広く(0.04秒以上),深く(R波の1/4以上),または本来Q波のないV1,V2誘導にQ波がある場合などを“異常Q波”という(図1).また,Q波で始まり,その後にR波を認めない場合を“QS波”という(図2).Q波を認める病態を表1に示す.正常でもQ波の幅が0.04秒以上あったり,Ⅲ,aVL,aVF,V1誘導などに深いQ波を認めることもある.
本稿では,Q波をみつけたとき,そのメカニズムを理解し,特徴を詳しく判読し,正しく測定し,そして,その背景にある臨床診断に結び付ける心電図の読み方を概説する.
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