コラム
9;22転座
田中 由美子
1
1東海大学医学部附属病院臨床検査科
pp.1160
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906389
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病態と意義
9;22転座(図)は,フィラデルフィア(Philadelphia;Ph)染色体と呼ばれ,慢性骨髄性白血病(chronic myelocytic leukemia;CML)の約95%,急性リンパ性白血病(acute lymphocytic leukemia;ALL)の10〜20%に認められる.稀にAMLでも検出される.9;22転座は9番染色体と22番染色体との相互転座t(9;22)(q34;q11)により生じ,この結果9番染色体(9q34)上のABL遺伝子が22番染色体(22q11)のBCR遺伝子と組み換えを起こし,キメラ遺伝子BCR-ABLを形成する.このキメラ蛋白は高いチロシンキナーゼ活性を持ち白血病の発症に深く関与している.
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