今月の表紙
小児超音波検査
永江 学
1
1聖マリアンナ医科大学病院超音波センター
pp.442
発行日 2002年5月1日
Published Date 2002/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906186
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【解説】
写真1:生後3週目に噴水状の嘔吐を繰り返しているために来院した症例である.超音波像では肝臓を介して長軸の幽門像が観察される.幽門部は肥厚し,正常では幽門筋の径は4mm以下であるが本症例では11.8mmと著明な肥厚が観察される.また,写真では計測されていないが,幽門管の長径が14mm以上あると異常である.本症例は肥厚性幽門狭窄症の超音波像である.消化管のガスなどで見えづらいときには,やや右側臥位にすると観察しやすくなる.
写真2〜4:1歳児で,数日前より嘔吐が出現し,血便を認め右腹部に腫瘤を触知され近医より紹介された.超音波像では腫瘤部に一致して腸管内に腸管が入り込んだような像が確認される.また,短軸像では二重の高エコーがリング状に観察され,いわゆるターゲットサインを呈している.カラードプラ法を行ってみると内部の腸管内にも血流の存在が確認され,腸重積の診断のもとに高圧浣腸にて整復された.腸重積の75〜95%は回腸結腸型であるために,通常は右下腹部から右上腹部に認められる.
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