今月の表紙
乳腺超音波[1]
永江 学
1
1聖マリアンナ医科大学病院超音波センター
pp.563
発行日 2002年6月1日
Published Date 2002/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906665
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【解説】図1は36歳女性の乳腺超音波像である.乳腺は肥厚し乳腺内に低エコー部が混在する像として認められる.また,この低エコー像の大きさはほぼ同じくらいである.本性例は豹紋状の乳腺症例である.乳腺症の好発年齢は35歳から50歳であり,閉経後には急激に減少する.注意点としては限局的なこの様な像を認めた時には,腫瘤を形成しない非浸潤性乳癌を念頭に置かなければならない.
図2は36歳女性の乳腺超音波像である.乳腺内に内部無エコーで境界明瞭な腫瘤を認める.腫瘍の後方エコーの増強と外側陰影も認められる.嚢胞の症例である.組織学的には乳腺症の一部であり,大部分が乳管の拡張によるものである.嚢胞に対する超音波診断の信頼性は極めて高い.
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