今月の表紙
胆囊超音波像
永江 学
1
1聖マリアンナ医科大学病院超音波センター
pp.158
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101341
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図1,2は53歳男性の胆囊超音波像である.人間ドックを受診して認められた所見である.胆囊頸部付近に半円形でその後方に音響陰影を認める高エコー像が認められる.図2は四ばいになってもらい,腹壁より探触子を当てて得られた像で,胆石の移動が確認される.胆石症の診断は,超音波検査が最も得意とする検査法の1つであり,高い診断率を示す検査法である.検査時に注意すべき点は,胆囊頸部では十二指腸球部,胆囊底部では大腸の影響を受けることがあるので,胆囊内腔が十分に描出されるように走査を行うことで,胆石を認めた場合には,必ず体位変換を行い胆石後方部に腫瘤性病変(特に胆囊癌)がないことを確認することも重要である.
結石の組成を超音波像からある程度推定することが可能である.純コレステロール石では結石エコーの後方に淡いエコー像が特異的に認められる.混合石では接面形成があるものでは類推が可能である.ビリルビンカルシウム石では結石後方の音響陰影がやや弱い傾向がある.黒色色素石は複数の数mm小結石として認められる.
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