絵で見る免疫学 基礎編・27
免疫応答とワクチン
高木 淳
1
,
玉井 一
2
1ダイナボット(株)器機診断薬事業部
2栄光病院
pp.276-277
発行日 2002年3月1日
Published Date 2002/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906145
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胸腺で成熟したT細胞や骨髄で誕生したB細胞でまだ抗原と遭遇していないリンパ球をナイーブリンパ球という.このナイーブT細胞は食細胞表面上に提示された抗原情報を受け取り活性化され(前号図2参照),CTLに分化したT細胞は感染細胞を破壊する細胞性免疫能を得て,ヘルパーT細胞に分化したT細胞はマクロファージおよび抗原特異性を持ったB細胞を活性化する.活性化した抗原特異性を持ったB細胞が特定の抗原に遭遇する確率は極めて小さいので,効果的に特異的な抗原と出会うためにヘルパーT細胞はB細胞を活性化させ形質細胞へと分化させるとともにこのB細胞のクローンを増殖させる.1個のナイーブB細胞から3〜5日間に同じ特異性を有する娘クローンが約1,000個生まれる.適応免疫反応の出現までに感染から数日かかる理由である.
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