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動脈硬化促進物質の酸化LDL,糖化LDLの病態
前畑 英介
1
,
橋本 陽子
1
,
矢野 正生
1
1三井記念病院中央検査部
pp.163-167
発行日 2002年2月1日
Published Date 2002/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906131
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はじめに
糖尿病は昔から,尿に糖が出る病気とされ,ラテン語の尿(=Diabetes),糖(=Mellitus)を合わせ,“DM”と言われてきた.今日では,インスリン依存型(IDDM)を1型DM,非依存型(NIDDM)を2型DMと呼称される.わが国では2型DMがほとんどであり,その特徴はインスリン非依存型(インスリン相対的不足),肥満,インスリン抵抗性(正常な血糖値を保つに必要なインスリン量が増加した状態),自己免疫反応(-),40歳以上で発症という点に集約される.発症要因の基本はインスリン作用の破綻とインスリン抵抗性の出現である.
高血糖状態は高脂血症〔中性脂肪(TG)が150mg/dl以上,総コレステロール(TC)が240mg/dl以上になった状態〕を招き,DM→高脂血症→動脈硬化に進展する時,血管内皮細胞の障害を起こし,サイトカイン(TNF),フリージラジカル(主として細胞外型のスーパーオキサイドディスムターゼであるextracellular-SOD;EC-SOD)1)も高値化する.したがって,DMは血糖コントロールしだいでは糖代謝,脂質代謝異常を加速する.さらに持続的に悪化を続けると血管障害を起こし,高率に慢性的血管合併症となる.糖尿病は独立した動脈硬化の危険因子である.
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