Laboratory Practice 生化学:精査と治療に生かす検査データ
脳梗塞症
多田 尚人
1
,
網野 信行
1
1大阪大学大学院医学系研究科生体情報医学教室
pp.140-142
発行日 2002年2月1日
Published Date 2002/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906123
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はじめに
脳血管障害は,現在わが国の死亡原因の第3位であり,そのうちの脳梗塞症が,生活の欧米化とともに増加してきていて,脳血管障害の60%強を占める.脳梗塞症は,脳血管の血流途絶による虚血のために脳組織に壊死注1)を生じる疾患であり,発症機序から脳血栓症と脳塞栓症に分けられる(表1).疾患の性質上,急性期の診療においては,神経学的所見(意識障害や失語失行などの高次大脳機能障害,片麻痺や脳神経麻痺などの個々の巣症状)と画像診断(CT,MRI/MRA,脳血管撮影など)が特に重要であり,生化学検査は補助的なものになる.
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