トピックス
SMBGにおける測定技術上の問題点
中山 年正
1
1(財)緒方医学化学研究所
pp.1121-1123
発行日 2001年8月1日
Published Date 2001/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905988
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SMBG(Self Monitoring Blood Glucose,自己血糖モニタリング)は,測定器具の性能向上により爆発的に普及しており,その検査件数は,今や検査室の測定件数の3倍とも5倍とも言われている.国産のSMBG測定器は,高い信頼性を得て,米国を中心に多量に輸出されている.病院でも,その簡便性のみならず,数mg/dlの再現性という著しい再現性から,日常的に内分泌科,腎臓科などの病棟で広く使用されている.
このような状況に鑑み,ISO(International Organization for Standardization,国際標準化機構)は,SMBG測定器の製造者に対する国際規格の作成を検討している.すなわち,“ヒト糖尿病管理用体外血糖モニタリングシステムの性能基準の求め方1)”であり,1998年草案として委員の間に配布・検討された.文書は検討用のものであり,一般には入手できないが,わが国では,日立製作所の野村靖がエキスパートメンバーとして参画していたため,この情報は臨床化学会糖尿病関連専門委員会に伝えられ,重大事項として“自己血糖測定(SMBG)の標準化プロジェクト”(代表:山形大学富永真琴教授)の発足となった.その後の2年ほどの検討により,この草案(TC212-CD15197,以下TC212)は,ISOでの投票結果,小差で事実上保留となった.
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