増刊号 病理組織・細胞診のための日常染色法ガイダンス
12.生体色素の日常染色法
d)リポフスチンの証明
シュモール反応
清水 幹雄
,
舟橋 明美
,
藤田 美悧
pp.874-876
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905919
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目的
生体内色素の中で,リポフスチン(消耗性色素)は自己貪食過程で発現し,変性したミトコンドリアやその他の細胞内小器官,グリコーゲン,脂肪滴などがリソソーム内で分解され,脂質と蛋白質とが重合したリポ蛋白の酸化により形成される.
ヘマトキシリン・エオジン染色(Hematoxylin-Eosin stain,HE染色)では,細胞質に黄色から褐色顆粒として認められ,この色素は老化現象とともに増加し,飢餓や栄養不良,内分泌障害,慢性消耗性疾患,薬剤の長期投与などの場合に,脳神経細胞や内臓諸器官の実質細胞に強い沈着を示す.
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