増刊号 病理組織・細胞診のための日常染色法ガイダンス
13.金属・無機物の日常染色法
a)カルシウムの染色法
コッサ染色
金子 伸行
pp.878-880
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905920
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目的
組織に沈着したカルシウム塩を検出することが目的である.カルシウム塩は骨,歯以外の組織では通常溶解した状態で存在するが,加齢や病的状態(腫瘍,炎症,血中カルシウム濃度が高い状態など)で組織に沈着することがある.カルシウム塩としてはリン酸塩が多いが,リン酸炭酸塩あるいは炭酸塩も存在する.
石灰化物はヘマトキシリン・エオジン染色(Hematoxylin-Eosin stain,HE染色)でヘマトキシリンに濃染するため,比較的容易に認識されることが多いが,他の沈着物との区別が難しい場合や,沈着竜が少なく,ヘマトキシリン・エオジン染色上,同定が困難な場合などにはカルシウムに対する染色を行う.また,カルシウムはイオン化しにくい非水溶性の状態(いわゆる仮面カルシウム)で存在することもあるが,これを確実に検出するためには顕微灰化法が用いられる.
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