増刊号 病理組織・細胞診実践マニュアル
第II章 組織学的検査
2.検体
2)検体の受付と処理
f)染色法[12]生体色素の染色法
清水 幹雄
1
,
舟橋 明美
1
1北海道大学医学部附属病院病理部
pp.144-147
発行日 1998年6月15日
Published Date 1998/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903477
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■メラニンの証明
1.フォンタナ・マッソン染色(Fontana-Massonstain)
1)染色目的と原理
メラニンは皮膚の基底層,毛髪,眼球中膜,中枢神経系の黒質および青斑核に存在し,黄,褐,黒,ないしは青紫色を示す.この色調変化はメラニンの含有量のほかに,メラニン前段階物質からメラニンに至る酸化の程度による.メラニンの有無を検索する症例として,色素性母斑,アジソン(Addison)病,結腸黒皮症,Dubin-Jonson症候群,悪性黒色腫などが挙げられる.またメラニンは還元剤を用いて鍍銀する銀好性であると同時に,還元剤を必要としない銀親性の特性を有する.この染色法ではメラニンが持つ還元性を応用して硝酸銀を用いてメラニン顆粒を黒染する.
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