見開き講座 分子細胞遺伝学への道しるべ・1
分子細胞遺伝学とFISH法
田村 高志
1
1杏林大学保健学部臨床遺伝学教室
pp.44-45
発行日 2001年1月1日
Published Date 2001/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905705
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分子細胞遺伝学の概念と現状
ヒトゲノムプロジェクトは,一昨年22番染色体,それに引き続き昨年21番染色体についても塩基配列の解読が終了した.ゲノム解析技術の急速な発展に伴い,新規の遺伝子やDNAマーカーが次々にクローニングされてきた.染色体解析技術も分子生物学的技術の進歩に伴い,これらの恩恵を受けて従来の染色体検査を補う形で分子細胞遺伝学として発展し,染色体検査への応用が拡大された.
染色体検査の幕開けは,1956年のTjioとLevanによる染色体数の報告であり,第2期黄金時代は1970年代のQバンドをはじめとする各種分染法による詳細な解析技術の進歩によりもたらされた.近年の分子生物学的技術を用いた解析法,すなわち分子細胞遺伝学的手法は第3期黄金時代といってもよい.
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