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日本版DRG
神津 仁
1
1神津内科クリニック
pp.1375-1378
発行日 2000年10月1日
Published Date 2000/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905642
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はじめに
アメリカは外科の国だ.メイヨークリニックの礎を作った大メイヨーは,メス1本で多くの患者を治療したといわれる.内服薬は民間療法に毛の生えたようなものしかなく,とても内科医が活躍するような時代ではなかった.メイヨークリニックに内科のディビジョンが置かれたのは,かなり後のことだ.今日でも,心臓手術や脳神経外科をはじめとして肥満の外科治療や美容外科,移植治療に至るまで,多くの手術が行われている.また,フロンティアの国として実験的な試みも多い.その見返りとしての手術の失敗も少なからずあって,しだいに医療に対する厳しい目が患者側から注がれることになった.
1960年代までは,アメリカといえども“パターナリズム(神父が信者に対して教え諭し,正しい道へ導いていく関係)”で,患者にとっては“おまかせ医療”であった.しかし,受けている医療の中身がわからない,医療費が非常に高く,対価に見合った医療を受けているのかという疑問が湧き上がり,医療訴訟が激増してくる.そうした中で,しだいに患者の意識は変化し,消費者保護運動のたかまりと相呼応した医療の中のコンシューマリズム(消費者運動)が台頭してきた.「患者の権利宣言」や「インフォームド・コンセント」もその一環である.こうしたムーブメントに押されて,病院側の意識改革も進んだ.
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