Laboratory Practice 血液 骨髄塗抹標本の見かた
骨髄液中に見られる正常細胞・3 巨核球系細胞
大畑 雅彦
1
1静岡赤十字病院検査部第2課
pp.1059-1061
発行日 2000年7月1日
Published Date 2000/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905559
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はじめに
巨核球は,核の分裂に伴う細胞質の分裂が行われないため大型細胞となる.骨髄中の造血細胞の中で,巨核球系細胞のみが8〜64N,まれに128Nの核の倍数体が存在する.巨核球の形態学的特徴を把握するうえで重要なポイントは,細胞質の変化である.巨核球は成熟とともに細胞質の最の増大が観察される.さらに,顆粒の増加や細胞質の塩基性の消失が見られる.
巨核球の形態分類には,血小板産生能を見る森田の分類や寺田の分類と,細胞質の成熟状態を観察する,いわゆる成熟度分類がある.従来用いられていた森田らの分類は,どの程度血小板生成の指標になり得るか疑問である1).
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