技術講座 血液
血液凝固検査の精度管理
木下 幸子
1
,
脇山 マチ子
1
1九州大学医学部附属病院検査部
pp.1251-1257
発行日 2001年10月1日
Published Date 2001/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906019
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新しい知見
抗凝固療法の指標として使用されているプロトロンビン時間(PT)は,試薬が生物臓器由来であることや測定原理の異なる機器を使用していることなど種々の要因によって施設間でデータの互換性がない.これを是正するために,わが国でも,従来の秒数表示,%表示に加えてINR(international normarized ratio)表記する施設が増加してきた.しかし,INR表記を行っても,感度の低い試薬(ISI(international sensitivity index)が2.0を超える試薬)を使用している施設が多い現状では,高度凝固時間延長試料において施設間差が大きい.また,感度の低い試薬は,%表示においても50%と100%との秒数差が小さく結果の再現性が悪い.そこで,生化学の酵素項目と同程度に施設間差を縮小するには,個々の施設がISI 1.0に近い試薬を選択することが重要である.
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