増刊号 血液検査実践マニュアル
Part 2 血球計数検査
2.赤血球沈降速度
3)自動赤沈測定装置の特徴と精度管理
新井 盛夫
1
1東京医科大学臨床病理学教室
pp.725
発行日 2000年6月15日
Published Date 2000/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905434
- 有料閲覧
- 文献概要
測定機器
Westergren原法の赤沈検査は特殊な器具や電力が必要ないことから,外来や検査室で簡便に行うことができる.しかし開放管を用いるため,操作時の血液汚染の問題がある.また多検体の一括測定には不向きである.
近年,ディスポーザブルな閉鎖システムを用いた自動赤沈測定機器がいくつか開発されてきた.わが国で発売されているセディシステム(ベクトン・ディッキンソン社)1)とベスマティック60(エム・シー・メディカル社)2)の特徴を半自動法のESR-6000BP(テクノメディカ)やWestergren法と比較して表に示した.全自動の前2者は,真空採血管をそのまま赤沈管として利用したクローズドシステムを採用しており,利便性に優れ,操作時の血液汚染事故の危険性が少ない.また,多検体のランダム処理に優れ,測定時間もWestergren法に比較して短縮されている.Westergren法との相関や再現性は良好であるという.しかし,赤沈測定を用手法から自動赤沈測定に移行するときは,各施設での相関データと基準値を検討する必要があろう.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.