特集 血液検査の問題点
8 赤沈値測定の問題点
福武 勝博
1
,
鈴木 弘文
1
,
三上 俊衛
1
1東京医大・臨床病理学
pp.896-899
発行日 1968年12月1日
Published Date 1968/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916543
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
赤血球沈降速度測定法は,1918年Fahreusにより血液臨床検査の一方法として報告され,1921年Westergrenが検査術式を確立してから,日常臨床において最も広く利用されている簡単な検査の1つである。特に慢性炎症性病変に対するスクリーニングテストとして,鋭敏な検査法とされている。赤沈は非特異的な反応であるが,臨床症状および他の検査と比較検討することにより,疾患の活動状況,治療方針,予後判定に非常に役だつ。赤沈値は,血漿成分の変化を赤血球の沈降速度を指標として表現するもので,血漿成分,赤血球の質および量の変化,および測定上の手技などが測定値に影響を及ぼす。
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.