技術講座 生化学
尿ステロイド一斉分析によるステロイド代謝異常症の検出
本間 桂子
1
1慶應義塾大学病院中央臨床検査部
pp.525-532
発行日 2000年6月1日
Published Date 2000/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905385
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新しい知見
尿ステロイド一斉分析は,ガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS)により多数の尿中ステロイド代謝物を一度に分析する方法で,種々のステロイド代謝異常症の診断に有用であることが知られている.近年,汎用型GCMSの普及により,本法を日常検査に取り入れることが可能となった.著者らは,欧米でよく用いられているスキャン法ではなく,より感度に優れる選択的イオンモニタリング法を用いた尿ステロイド(69種)一斉分析法を確立し,血中ステロイド測定のみでは診断困難な新生児21-hydroxylase欠損症や副腎腫瘍の症例について,本法により確定診断可能であることを確認した.
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