けんさアラカルト
CLEIA法によるインスリン定量法
金子 礼子
1
,
渡辺 直樹
2
1札幌医科大学医学部附属病院検査部
2札幌医科大学医学部臨床検査医学
pp.547
発行日 2000年6月1日
Published Date 2000/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905390
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これまで血中インスリン濃度は,RIA(radio immunoassay)やEIA(enzyme immunoassay)で測定されてきたが,最近,感度の上昇や測定時間の短縮を目的に,化学発光酵素免疫測定法(chemiluminescentenzyme immunoassay:CLEIA)が開発された.本法では,化学発光を検出系に用いており,測光部分はフォトカウンターだけの簡略な構造となっている.そのため,比色法のような光源が不要であり,迷光やノイズの影響が少なく,高感度かっ迅速な測定が可能となる.
筆者らが基礎的検討を行ったアルカリホスファターゼを標識酵素として用いたCLEIAでも,再現性,希釈直線性,検出感度および従来法(EIA)との相関性に関し,良好な結果が得られた1).特に,検出感度は従来法に比べ約100倍向上していた.しかし,その際問題となったのは,メーカー側の基礎データでは血清,血漿の両者で測定可能とされているにもかかわらず,血漿での測定値が血清のそれに比べ低値を示した点である(図).これまでも,標識酵素にアルカリホスファターゼなどの金属酵素を用いた場合には,抗凝固剤であるEDTAが阻害作用を示すことが知られている2).しかし,EDTA濃度と,アルカリホスファターゼに対する阻害作用との関係に関しては,いまだ不明な点が少なくない.
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