技術講座 生理
体表面加算平均心電図検査とその意義
中川 幹子
1
,
伊東 盛夫
2
1大分医科大学臨床検査医学講座
2宗像市医師会病院検診センター
pp.35-40
発行日 2000年1月1日
Published Date 2000/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905268
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新しい知見
体表面加算平均心電図法を用いた心室遅延電位(レイトポテンシャル)の検出は,致死的な心室性不整脈の発生や突然死の予測に有用である.また近年,P波同期の心房遅延電位の解析が,心房細動の発生の予測に有用である可能性が示唆された.さらに,QRS波の初期成分を解析することにより,潜在性WPW症候群において副伝導路の順行伝導による早期興奮波の存在が示唆されたり,P波の初期成分の低電位(atrial earlypotential)の存在が洞機能不全症候群の診断に有用であるという報告もある.今後,体表面加算平均心電図法の臨床応用はさらに広がるものと期待される.
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