技術講座 生理
加算平均心電図の実際
市川 篤
1
,
竹内 幸一
1
1東京女子医科大学病院中央検査部
pp.266-271
発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103889
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
新しい知見
加算平均心電図法は,心電波形を加算処理することにより筋電位や外部ノイズを減少させ,従来の心電図では記録不可能であったノイズレベルよりも小さいμV単位の微小電位を体表面から記録することが可能である.代表的な心臓微小電位として,ヒス束電位・心房遅延電位・心室遅延電位などがあるが,特に心室遅延電位は重症心室性不整脈発現の基質の存在を示す微小電位として,心室頻拍や突然死との関連など多くの報告がなされており,近年ではホルター心電図記録からの検出も行われている.また,2012年の診療報酬改訂により,加算平均心電図による心室遅延電位測定に保険適用が認められ,これまでの研究的検査の位置付けから確立された一般的な検査に変わりつつある.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.