機器性能の試験法
血液凝固測定装置の性能確認試験法
鈴木 節子
1,3
,
国分 まさ子
2
1福祉・医療技術振興会
2横須賀共済病院中央検査科
3前:横須賀共済病院中央検査科
pp.1433-1438
発行日 1999年11月1日
Published Date 1999/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543904022
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はじめに
血液凝固測定装置(以下,測定装置)は,血液中に存在する凝固線溶機能に関与する成分(凝固線溶関連因子,凝固線溶過程での産生物質,凝固線溶関連因子の分解物質)を測定するために開発された装置を指し,成分の生理的な機能(活性値)あるいは成分の量(蛋白などの抗原量)を測定する.
測定装置の性能は,原則的には測定原理に基づいて精密な測定装置が構築され,用手法時代と比較し再現性などの精度は極めて改善されている.そして,複数の製造会社により測定工程,検知機能,演算システムなどが独自に開発されている.しかし,その独自性,すなわち特性のために,ことに生物試料から調製される試薬を用いる検査の場合は,同一名の検査でありながら測定装置間差を生ずる結果を招いている.また,装置の多様性に加えて測定試薬も複数社で開発されているため,試薬と,装置との組み合わせによる施設間差も問題となっている.したがって,測定装置導入に当たっては,測定装置の性能(特性および精度)を確認して目的に合った装置を選択し,導入後は導入時の性能を維持するための管理が必要である.
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