増刊号 緊急検査実践マニュアル
各論
1.生化学検査
11)総アミラーゼ,膵型アミラーゼ 技術編
牧瀬 淳子
1
1横須賀共済病院中央検査科
pp.743-745
発行日 1999年6月15日
Published Date 1999/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903843
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原理と手技
1.総アミラーゼ(AMY)活性測定
現在,最も多く用いられている方法は,各種マルトオリゴ糖またはその誘導体を基質とし,他の酵素を共存させることによって検出可能な化合物や色原体に持っていく共役酵素法である.共役酵素法はNADH(nicotinamide adenine dinucleotide disodium salt,reduced type,還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)検出法と色素検出法に大別されるが,日常測定法や緊急検査法として多く用いられている方法は後者の方法で,①p-ニトロフェノール(p-nitrophenol;PNP)検出法と,②2-クロロ-4-ニトロフェノール(2-chloro-4-nitrophenol;CNP)検出法である.本稿では,当院で用いているガラクトシル-4-ニトロフェニル-α-マルトペンタオシド(Gal-G5-4 NP)法について紹介する.
本法の測定原理は,基質にGal-G5-4 NPを用い,α-AMYの作用により水解されて生成したGn-4NPにα-Dグルコシダーゼを作用させて生成するPNPの生成速度をとらえ,AMY活性として測定するものである(図1).
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