連載 婦人科超音波診断アップグレード・12
急性虫垂炎の超音波所見
佐藤 賢一郎
1
,
水内 英充
2
1新日鐵室蘭総合病院産婦人科
2旭川みずうち産科婦人科
pp.343-351
発行日 2005年3月10日
Published Date 2005/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100203
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1 はじめに
急性虫垂炎は生涯を通じて6~20%の人が罹患するといわれ1),急性腹症のなかでも最も頻度の高い疾患である.発生機序は必ずしも明確にされているわけではないが,糞石,ウイルス感染などによる粘膜下リンパ濾胞の過形成などが虫垂内腔の閉塞,狭窄をもたらし,内圧上昇により循環障害が起こり,さらに腸内細菌の増殖などが加わり病変を進行させると考えられている1).通常,外科領域で扱われる疾患であるが,子宮外妊娠や卵巣腫瘍茎捻転,骨盤腹膜炎などとの鑑別や妊娠合併例などでは産婦人科領域でも問題となる.したがって,産婦人科医も習熟すべき重要な疾患であると考えられる.
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