増刊号 病理組織・細胞診実践マニュアル
第II章 組織学的検査
2.検体
2)検体の受付と処理
f)染色法[5]線維素の染色法
鳥居 良貴
1
,
山本 格士
2
1兵庫医科大学病院病理部
2兵庫医科大学病院病理部・技師課
pp.120-122
発行日 1998年6月15日
Published Date 1998/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903470
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はじめに
線維素とは,血漿中に含まれるフィブリノゲンが凝固・析出した物質であるが,漿膜・粘膜などで種々の炎症に伴った浸出物の中にも多く含まれていることがある.リウマチ性肉芽腫,アレルギー性疾患の血管壁およびその周辺には限局性に線維素様変性が,またDIC(disseminated intravascular coagulation,血管内凝固異常)症候群では微小血管内にフィブリン血栓などが認められる.このような線維素あるいは類線維素を染め出す代表的な染色法にワイゲルト染色やリンタングステン酸ヘマトキシリン染色がある.
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