検査法の基礎
生体内色素の染色法
呉地 剛
1
,
井上 泰
1
1東京厚生年金病院病理科
pp.485-491
発行日 1993年6月1日
Published Date 1993/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901590
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サマリー
生体内色素は,その由来により血色素性色素と非血色素性色素に分類される.ピリルビンは前者の,メラニンは後者の代表である.ともに褐色調を呈するが,存在部位や存在様式により通常のHE染色標本でも鑑別は可能である.しかし,正確な同定には特殊染色が必要である.病理形態学では,色素の確認と同定は極めて重要である.例えば,腫瘍細胞にビリルビンが証明されれば肝細胞癌,メラニンが確認されれば悪性黒色腫の診断が下される.本稿では,血色素の生理的な基本事項を確認し,生体内色素の染色法に言及する.
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